第173話予期せぬ再会

エレベーターは五十五階で止まった。扉がすべるように開くと、二人の男の前にカスピアンの姿が現れた。

口を開くより早く、ウィリアムは直感した。アンナの傍に何度も現れていたのは、この男に違いない、と。

カスピアンがウィリアムに気づいた瞬間、車椅子を目にして驚きが顔をよぎったが、すぐに表情を整えた。

アンナのこととなれば、どんな男であれ敵なのだ。

「おまえは誰だ。なぜアンナに会いに来た?」カスピアンの声は、最初から噛みつくようだった。

ウィリアムが不利になるのを恐れたイヴァンが、咄嗟に主人の前へ出て庇おうとした。だが口を開く前に、ウィリアムが手を伸ばし、やんわりと彼を脇へ退かせた。

ウィリ...

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